・+ 天地創造、君と僕 +・
『今の世界なんか、なくなっちゃえばいい』
君は 笑顔と泣き顔の中間のような
奇妙な表情でそう言った
『幸せも怒りも悲しみも、暑さも寒さも、
空も海も、昼も夜も、全て溶かして』
君が仰ぎ見る空は ひどく憂鬱な灰色
君が見下ろした街も ひどく憂鬱な灰色
『神様とか言う愚かな奴が、光と闇を分けちゃう前の
何も無かった世界に戻そう』
まるで 自分が新しい神様になったように
君は手にしたシャープペンシルを振り上げる
小さな学校の屋上の 小さな神様の君
大丈夫 僕は君の崇拝者だから 君を止めたりしないよ
『そしたら、ずっと君と二人で、溶けたゼリーみたいな
世界に浮かんで、ずっとずっと幸せに眠っていよう』
君はそう呟いて 僕はただ微笑んで頷くだけで
そして君は 掲げたその手を 世界に向かって振り下ろした
その瞬間の 光 風 笑顔
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